果物野菜生産農家は、農地周辺に生息しているポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)に支えられています。
それぞれの地域の葉野菜、茎、根、および実物、種、花などの生産農家の農業従事者がポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)との関係を築きあげてきました。
都市化が進むにつれポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)の自然環境の変化があり農業施設環境にも変化がありました。
人間が植物の花粉を媒介する行為(受粉)をすること人工授粉という。
ポリネーター(花粉媒介者)が外部から到達しにくい温室やビニールハウスで農産物の生産を行う場合、ポリネーター(送粉者)を利用する方法と人工授粉で行う方法があります。
ポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)の開発
現在、多くの農園、果樹園、ビニールハウスなどで授粉に使われているポリネーター(送粉者)がいます。
西洋ミツバチ、セイヨウオオマルハナバチ、クロマルハナバチ等々です。
それ以外にはハナバチ類がいます。
コツノツツハナバチ、通俗名マメコバチがいます。
広食性種で色々な優れた植物に集中して訪花する連続定花性があり高い送粉効率があります。
リンゴ農家やサクランボ(オウトク)の施設栽培でマメコバチを利用している農家がおります。
ブルーベリー、ハウスイチゴ、キウイ、和ナシ農家でもマメコバチの利用が注目されています。
マルハナバチ類は世界各地でポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)として利用されています。
野生ハナバチ類の中でポリネーターとして利用されている種はアルファルファハキリバチ、アルカリアオスジハナバチがいます。
台湾に生息しているハリナシバチも有用なポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)です。
毒針が無く採餌範囲が狭くハウス内での利用が考えられています。
ハウス内のイチゴの授粉ではカベハリナシバチ(南米産)はいい結果が得られています。
マンゴにはキンバエ類がポリネーターとして利用されています。
無菌室で育てたキンバエを利用する方法も将来の課題です。
シマハナアブのポリネーターとしての活用も検討中です。
利用されているポリネーター(授粉者・花粉媒介者)
西洋ミツバチ、セイヨウオオマルハナバチ、クロマルハナバチ
コツノツツハナバチ、通俗名マメコバチ
野生ハナバチ類のアルファルファハキリバチ、アルカリアオスジハナバチがいます。
台湾に生息しているハリナシバチ
南米産のカベハリナシバチ
マンゴにはキンバエ類キンバエ
シマハナアブもポリネーターと利用可能か検討中です。
ポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)の応用
ミツバチやマルハナバチにより果実の高品質化、授粉の省力化の改善のために利用しています。
イチゴの受粉の場合1箱(6,000~8,000匹)10~20アールのハウスに対応しています。
花粉交配用ミツバチは、いちご、メロン、すいか、りんご、なす、おうとう、うめ、マンゴーで使用されています。
玉ねぎやキャベツの採種用にも使用しています。
マルハナバチはトマトのような蜜を出さない花にも飛び花粉媒介を行います。
セイヨウオオマルハナバチは欧州原産で日本ではオランダ、ベルギー等で増殖させたコロニーを輸入しています。
クロマルハナバチはオランダ・ベルギーから逆輸入、日本国内でも増殖させています。
北海道産のエゾオオマルハナバチは花粉交配用マルハナバチとして利用に向け検討しています。
マルハナバチ
・トマトの受粉の場合、1箱(約60匹)で10~20アールのハウスに対応が可能
・1箱につき約2~3ヶ月の使用が可能
人工授粉の花粉調達
野外や温室やビニールハウスで農産物の生産を行う場合の人工授粉の花粉調達
人工授粉用の花粉調達は技術のいる気の抜けない大事な仕事です。
人工授粉用の国内の花粉調達は重労働で時間・経費もかかります。
花粉採取・調整に掛かる労働コストと輸入花粉の価格を比較検討し必要ならば海外花粉の輸入を検討したりします。
花粉の自家調達割合を高めるために注意しなければならないこと
花粉採取に適した品種なのか
低温遭遇にたいしても高花粉発芽率を維持できるのか
効率的な採取方法の確立など
大規模農場、大規模温室・ビニールハウスでの人工授粉は、機械化による労働の省力化、経費の削減などこれからさらに改善が必要です。
まとめ
高品質,安定供給の食料需要に向け大規模農場、大規模温室・ビニールハウスの農業が活発になりつつあります。
その目的を達成するのには避けては、通れない若い方々の下記の技術者が必要です。
1.ポリネーター(授粉者・花粉媒介者・送粉者)の開発者
2.種々の果実・野菜の人工授粉の専門家
3.国内から使用作物ごとの花粉を集める専門家
4.海外から使用作物に適した花粉を集める貿易業(貿易輸入)
5.ドローンを利用した人工授粉の技術・操縦者
最後まで読んで頂きありがとうございました。